死と言うもの

私は死を覚悟したので
手首を切るための包丁を用意して
皿を並べた。
美しい紺のシートを引き
キャンドルで食卓を飾り
銀のスプーンとフィークとナイフを並べた。
スープのために鶏で出汁をとり、
オニオンを細かく切ってよく炒め
アメイロになったら、先ほどの出汁を入れ、
塩、胡椒を振って味を調えて手首を切ると
泣きたくなるほど、粗末な味だった。

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