UFO

一人暮らしの部屋
夜2時半
ドンドンドンとドアを叩く音がする
私は眠そうな声で
「どなたですか?」というと
「宇宙人です」
「はあ?」
ドンドン
「早く空けてください!」
「はあ?」
「お願いです ここを空けてください」
「あの、そんな訳の判らない人を上げる訳には、、、」
「いいですか あなたは1年前の夏にひまわりを植えましたよね」
「あー。そういえば、そんなことも」
「あの、あなたが植えた空き地、あれ宇宙人のものなんですよ」
「つまり私たちのもの」
「はあ〜」
「そこに勝手にあなた ひまわりを植えましたよね」
「はい」
「あなた、あそこには私たちのUFOが埋まってたんですよ」
「知らないで飛び出しちゃったんですよ」
「花が咲いて枯れて種が飛び散って」
「その種がまた咲いて枯れて種が飛び出て」
「はい?」
「お前のせいで宇宙がひまわりだらけになっちゃたんだよ!」
「開けろ!この野郎!」
「無理無理 そんな理由でドアなんか開けられないです」
「宇宙法第189条により強請収容する」
バカーンとドアが大破し
私が見たものは
円盤形のUFOの上に
これでもかと咲くヒマワリ
「かわいい」思わず私は言ってしまった。

▼Back

presented by kuwajima