猫ども

地球がいつか滅亡する事を知らない猫どもが集まって
くだらない町内の問題を話し合っているので
僕はきまぐれにお土産を持って
長老に挨拶すると
「良く来た」という事で
祭りがはじまった。

回りは飲めや歌えの大騒ぎで
僕の前にもごちそうが並べられる。
ごちそうと言っても
ネズミや虫、せいぜい飛ぶ事をやめた鳥くらいなので、
少しだけ、食べるふりをして、もうお腹いっぱいだといいわけをする。

宴もたけなわ、
長老が僕に嫁をやるといいだして、
なにやら、どらねこが恥ずかしそうに隣にやってきた。
長老が言うには、前世でも夫婦だったそうだ。

「猫とは子どもを残せないので」と、断ろうとすると
「大丈夫、こいつにはもう20匹も子どもがいるから」と大声で笑うので、
なんとも勝手な事だと思いながらだまっていると、
「全部、前世でもお前の子どもだ。」といわれる。
前世の僕はずいぶんがんばっていたのだな。と思うが、
このまま、嫁にするわけにもいかないので、悩んでいると、
気がつくと猫どもが、すべて酔いつぶれているので、
私はそーと逃げ出した。

少しふざけた地平線に逆らわずに進んでいると、
ふっと、あの長老は前世では俺の親父だった事を思い出して、
どうりで、世話好きでやさしかったものだと納得し、
親というものはいくつになっても、親なんだなと想い、微笑んだ。

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