ある時、街に行商人がやって来た。
「お金の貯まる壺いらんかね〜
愛が貯まる壺いらんかね〜」
若者は
「親父、両方くれ!」といったら
親父は
「バカ言っちゃいけね
お金と愛は相反するもの
両方持っていたら、どちらも効果は無くなるよ」
「まあ、たいていはお金があれば、愛も買えると言ってお金の方を持っていくがな」
若者は「う〜ん」と悩んで、「愛はどうなんだ?」と聞くと
「たまには変わった客もいるさ
愛があればお金はいらないってヤツ
まあ、子宝にたくさん恵まれて
それなりに幸せにやってるよ」
若者は「それなりか。うーん。」
「お金の方はどうなんだ?幸せになれるのかい」
「不幸になるやつもいっぱいいるぜ。
だけど、幸せになるやつだっていらー
人それぞれだよ」
若者は「そうか、じゃ、両方いらね〜
それより、ただの壺をくれ」
親父は不思議そうに
「なーんで、そんな物がいいんだ?」
「考えてみたら俺は漬け物があれば何もいらないヤツだった。」
親父は
「それなら、ただの壺でいいな〜」
あはは、あははと2人は笑った。
親父は何も言わずに不老長寿の壺を渡した。
それから、漬け物は体に良い食べ物になったそうだ。

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