森の中で少女が迷っていると
ある老婆が現れた。
「お前はもう大人の女だね。」
少女は答えた
「いいえ、私は体は大人と変わらないかも知れないけれど、
まだ子供です」
「そうかい、お前は生理もあるし、男も知っているようだし、私はてっきり大人だとおもったよ」
「隣の子供はどうだい?」
いつのまにか、少女の隣に子供が立っていた。
見た目は10歳くらいの、まだまだ幼い子供だ。
少女は驚いたが、自分がここにいる事自体不思議なのだから、
隣に子供が立っていてもおかしくはないと感じた。
当然、子供だと答えると思っていたが、答えを聞いて少女は驚いた。
「いいえ、私は大人よ。生理もないし、男も知らないけれど、
私は大人だとおもうわ。
学校の同級生とはまったく話が合わないし、親も私のことをもう大人だと言うわ」
少女は子供によくある勘違いだわと思ったが、黙っていた。
老婆は「そうかい。ではこの森から出ていくがいい。」
「たんぽぽの花がこの迷える森の出口を案内するだろう」
「おばあさん、私は?」少女が言った。
「お前はまだ、この森を彷徨っていなさい」
「もしかしたら、すぐ出られるかも知れない
もしかしたら、一生出られないかも知れないけどね」
少女は涙を目に一杯溜めながら、
「そんな〜、おばあさん、、、、」
おばあさんはキッと少女をにらみながら
「私は、まだこどもだよ!
おばあさんなんて言い方はよしておくれ!」
と、いって深い森の奥へ消えていった。

周りを見渡すと誰もいなくなっていた。
そのとき少女は足の間から、流れる重い液体を感じた

 

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