ほ乳類と笑顔の起源

まだあなたが小さなネズミだったころ
あなたは母から血をすすって生きていた。
とても鋭い牙で血をすするから
あなたの母はとても痛がった。
あなたは母の愛情をほしかったが、
傷だらけの母にそんな余裕はなかった。
あなたが近寄る分だけ母が傷つくから。
でも、いくら血をすすってもあなたは餓えていた。
あなたがほしがっていたのは、
ほんの少しの甘みだったから。
いくら、母を傷つけても満足できなかった。
あなたが愛情をほしがっているのを母は知っていたが
これ以上傷つくのを恐れていた。
でも、いつか母はわらってそれを許した。
やがて、わらった母にだけ乳房ができた。
ほんの小さな乳房だけれども
あなたはそれにむさぼりついた
白くて甘いもの
それはあなたが望んでいたモノだ。
あなたはやっと満足して母から巣立っていった。
笑わなかった母は子供にむさぼられて死んでいった。

ほ乳類と笑顔の起源

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