いとおかし

季節はなんの迷いも過ぎてゆくけど
ぼくの足は止まったままで、
四角い箱の中でふわふわ浮いて
動く階段より早く
君のプレゼントを買いにいくよ
あまりに高い場所にあるプレゼントは
七色に光るイカがゆらゆらと教えてくれるから
世界の氷が溶けてみんな海だったから
空に魚が浮かぶんだね
空を飛べるものは、飛び魚だけで、
羽を休める場所は
人間だらけ
どこにいっても電波に見はられて
いつのまにかTVスターよりも
カメラに見つめられて
ぼくの足跡はすぐに消えて
丸い街はぼくのあたまより四角になったけど
この四角い紙切れに3億円の価値があるととても思えず
コードも無いのに声が聞こえ
いつの間にか無精髭のぼくは
しぶしぶ手紙を書いて
誰にわたすか迷いだけが
雨になるけど、
少しさむくなっただけで、
それは真っ白な世界になるなんて
まるで、正解があるクイズ番組と
正解の無いCMがつながっているようで
いとおかし。

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