匂いのない世界で
触角をふるわせて
あなたを捜したが
複眼で大勢の1つを
見つめて見ていたら
あなたの見えない世界で
捜し当てるあなたを
重さのない手で触れてみても
あなたは私を感じずに
黒い翼で飛び立とうとしたけれど、
わたしはあなたの重さにもなれずに
ただあなたの飛び立った後を
残像として残そうと努力するが
重さのない脳には
記憶というものが無かった。

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