クリスマスイブのある家族

クリスマスイブの夜に戦々恐々としている家族がいた。
七面鳥のターキー一家がそれだ。
「ああー、今年も無事に我々家族は生き延びる事が出来た
神に祈ろう」
「パパ、その神さんのせいで僕らの命が脅かされているんだけど」
「それもそうだ。じゃ、仏さんに祈ろう。南無ー」
「南無ー」
「呼んだ?」
「あ、仏様」
「ぜひ教えてください
なぜ、我々がこんな目に遭うのか?」
「知らんがな。神様に聞けばエーやん
かみさん!」
「なんや、うるさいのー」
「ああ、神様
いったいなぜ、私たちは毎年こんな目にあうのですか?」
「知らんがな」
「でも、あなたのせいでこんな目に遭うんですよ」
「知らんがな。生け贄やろ生け贄」
「あの、そろそろ、その座から降りたいんですけど」
「降りればエーがな。降りれば」
「え、いいんですか?」
「えーがな。勝手にしたってや」
「じゃ、降ります」
「ああー。やりとうないならそうしたたたらいい」
「ありがとうございます。さすが神様」
「じゃ、帰るわな」
「あの、それで私たちは来年から食卓に上がらなくてもいいんですよね」
「わしは別にいいよ」
「じゃ、人間に捕まって焼かれる事はもうないんですよね」
「知らんがな」
「え!だって、神様、もういいって今いったじゃないですか?」
「わしはえーけど人間のする事は知らんがな」
「言ってやってくださいよ」
「あほ、死人に口無しやで」
「そんな、仏様。神様に言ってやってくださいよ」
「あほ、死人に口無しや」
「死ね!お前ら死ね!」
「ハイわかりました。ほなさいなら」

 

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