メイドロボ3号のあかね

「ご主人様、起きてください。もう朝だぞプン」
と とてもかわいい声で起こされた。
これは、メイドロボ3号のあかねである。

私は「う〜ん おはよう」とあかねに声を掛けておき上がった。

「ごはんはもう出来てもますよ。早く早く!」
萌え声とでもいうのだろうか。
何ともかわいい声である。

私は科学者で自分で言うのもなんだがかなり優秀なほうである
なにしろ、ちょっとした趣味でこのメイドロボをつくってしまうくらいなのだから。
しかし、私は科学者で彫刻家ではない。
残念ながら、このメイドロボはブリキの立方体を組み合わせてできた萌えとは
反対にいるロボットなのだ。
私が教える大学の生徒に声のプログラミングを頼んだのが間違えだった。
「先生、最高にいい感じになりました」と 組み込んでみたら
造形センス0の私が作ったハンダがくちゃくちゃとへたくそについた
見た目も恐ろしい化け物ロボットが、萌えキャラで暴れ回っているのだから
世の中は恐ろしい。

「もう行くちゃよ、時間だッちゃ」なんてブリキのはがれかけたロボットが
かわいらしく教えてくれた。
「ああ〜そんな時間か。 じゃあな」
「ばいばいきん!」と見送ってくれた。

私はいつものように大学へ出かけた

「あ、せんせい忘れてルッちゃ。よ〜し あたいが届けて 喜ばせてあげるわ よ〜しインプット!」
ガシャンガシャン
解説しよう
メイドロボ3号のあかねは一度インプットすると
それを達成するまで、プログラミングを実行するのだ。
大学まではバスと電車を乗り継ぎ1時間くらいである。
直線で30kmくらいの距離だろうか
ガガガ〜と鈍い音で
メイドロボ3号のあかねは真直ぐ最短距離で走り始めた。
すぐにブリキはボロボロになりはだけ、中の鋼鉄がむきだしになる
どんな建物もぶちこわしなら博士の忘れ物を届けに向う。
たまに「ごめんちゃ」とかわいい声と回りの悲鳴を響かせながら

▼Back

presented by kuwajima