私が神様である

私は柏手を打ちながら願い事を思った。
「神様、どうか世界が平和になりますように」
「不幸な子供がいなくなりますように」
「みんなが幸せになれますように」
「そして最後にささやかな願いですが、
 わたしにかわいいお嫁さんがきますように」
と願い、また柏手をうつと、

「やだ!」と言う声が
私は目を開けてきょろきょろすると
回りには誰もいない

また目を閉じて願おうとすると、
「やだ!」と言う声が聞こえてきた。

「だれだ、いたずらをするのは!」とおこると
「わしじゃよ」と目の前から声が聞こえた

目の前には神社の祭壇しかない
「ここじゃ」
と言う声が
「もしかしたら神様ですか?」
「左様、私が神様である」
「じゃあ、先ほどのいやじゃと言う声も」
「もちろん私じゃ」
「いったいなにがだめなんですか?」
「世界を平和には、まあいい
 叶うか、叶わんかは知らんがな」
「だけど、お前に嫁は無理じゃ
 しかも、かわいい嫁なんて、とうてい無理じゃ」
「その件に関しては、薄々気づいてはいるんですが…
 かわいくなくても、まあいいんでが…」
「だから、無理じゃといっておるじゃろ!バカモン!」
「えー、そんな、じゃあ、いったいなんで出てきたんです?
 ほっときゃいいじゃないですか。そうすれば、気分よく帰れるのに」
「お前が気分良くたってこっちが気分悪いわ!」
「そんな〜」
「本当にそんなことでご神体から出て来られたんですか?」
「いや、あの〜実は
 すまんが、お金をね
 貸してほしいんじゃが」
「え!さきほど賽銭箱に入れましたけど」
「あほ、お前なんか、たまにしか来ないくせに
 いつもご縁がありますようにと5円じゃねえか
 全然たんねーんだよ」
「す、すいません、こんどから100円くらい入れるようにします」
「いい、いい、100円にしたら、ますます、足が遠のくだろう。
 それに、わしが借りたいのは200万じゃ」
「えー、そんなお金はどう振ったってないですよ」
「やはりないか」
「ところで今はいくら持っているんじゃ」
「えーと、6万くらいです」
「じゃ、それくれ!」
「やですよ。PS3を買おうとしてもっているので、
 それに、さっきは貸せで、今はくれなんて、
 帰っていいですか?」
「買えぬ!お前は今日PS3は買えぬぞ!」
「ずいぶん大人げない神様だな。でもいやです」
「あーいいのかな?嫁欲しくないのかな〜」
「欲しいですよ。紹介してくれるんですか?」
「やだ!」
「ちぇ、いいです。もう帰りますから」
「頼むから、そのお金ちょうだい」
「いやですよ。何のメリットも無い」
「わかった、願いを叶えてやる!」
「え、本当ですか?」
「ああ、本当だとも」
「じゃあ、かわいい嫁を…」
「それは、いや」
「えー、じゃあなんです?」
「まあ、そうじゃの〜。世界を平和にしてやる!」
「え、それもいいんですけどね…」
「なんじゃ」
「できれば、ぜいたくは言わないので、嫁の方も」
「無理」
「じゃあ、お金も無理です」
「うーん弱ったな」
「なんとかならんですかね」
「弱った、弱った」
「帰ります」
「わかった、わかった。でも、どっちか一つだぞ」
「は、はい」
神様は怒った顔をして
「どっちじゃ?」
と私を睨んだ。

 

皆様すみません。
世界に平和は来なかったけれども
こうして、私は嫁をもらう事ができました。
これが、嫁です。

と言いって出てきた女性は中の下といったところだろうか?。

世界の平和を捨てて、嫁いだ嫁はちょことはにかんで笑った。

その笑顔は 少しだけかわいかった。

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